東京・台東借地借家人組合 3

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help リーダーに追加 RSS 賃料増額請求権が5年の消滅時効により消滅したとされた事例

<<   作成日時 : 2007/02/14 10:10   >>

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 判例紹介  



  賃貸人の修繕義務不履行により建物の一部が使用できなくなった場合、賃借人は家賃の減額請求権を有する (名古屋地裁昭和62年1月30日判決。判例時報1251号)



   (事案の概要)
  1 Yは昭和55年6月1日、Xから2階部分を居宅、1階部分をお好み焼屋店舗として使用する目的で本件建物を賃料月額10万円で賃借した。



  2 2階部分には3つの居室があったが、56年9月前からいずれの部屋にも雨漏りがし、特に南側と真中の部屋の雨漏りは、雨天の場合バケツで受けきれず、畳を上げて洗面器等の容器を並べ、Yらが椅子の上に立って、シーツやタオルで天井の雨漏り部分を押さえざるを得ない程であり、押入に入れたふとんが使用不能になったこともあり、本件建物2階部分は、同年9月以前からその少なくとも3分の2以上が使用不能となった。



   YはXに対し、しばしば雨漏りの修繕を求めたが、Xはこれに応じず、右の使用不能状態は、Yが本件建物を明渡した昭和58年7月31日まで続いた。なお、1階店舗部分は、右の雨漏りにより使用不能となることはなかった。



  4 これに対し、Yは56年9月分から賃料の支払を拒絶し、Xに対し、右使用不能部分の割合に応じて賃料を減額する旨意思表示した。



  5 しかし、Xは減額に応じず、Yに対し、56年9月分から明渡し済みの58年7月分までの賃料230万円の支払を求めた。



   (判決)
  本件建物の2階部分の少なくとも3分の2が56年9月1日以降58年7月末日までXの修繕義務の不履行により使用できない状態にあつたことが認められるところ、修繕義務の不履行が賃借人の使用収益に及ぼす障害の程度が一部にとどまる場合には、賃借人は当然には賃料支払義務を免れないものの、民法611条1項を類推して、賃借人は賃料減額請求権を有すると解すべきである。



  本件の場合、右減額されるべき賃料額は、右使用できない状態の部分の面積の本件建物全面積に対する割合、本件賃貸借契約は1階店舗部分とその余の居宅の使用収益を目的としていたところ、Yの右店舗部分自体の使用収益にはさしたる障害は生じなかったこと及び雨漏りの状況等の諸般の事情に鑑み、本件賃料額全体の25%をもつて相当とする。



   (寸評)
  判決はもとより妥当である。家主が修繕義務を履行しなかった場合、2つの対応がある。1つは賃借人側で修繕しその費用を家賃と相殺する方法で、組合がよく利用する。もう1つは本件のように民法611条1項を類推適用する方法である。いずれの方法が良いかは事案によって異なってくる。  (2003.8.)   



(東借連常任弁護団)


東京借地借家人新聞より




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